園庭にある井戸の周りにある台に、手を着いて遊んでいた0歳児のお友だち。なにをしているのかな?と見てみると、台の上にのっている砂を両手でかき分けて下に砂を落としていました。大人が見ると、なにが楽しいのだろうと不思議に思ってしまうような遊びでしたが、よく見てみると、砂をかき分けると指があたった部分の砂が下に落ちて砂が模様のようになっていました。それが不思議なのかじーっとその模様を見ては、また砂をかき分けると再び模様が変わるのが楽しくて繰り返しているようにも見えました。また砂の感触は室内で生活する中では、あまり触れることの無い感触です。台の上にのった砂を台と手の平で擦り合わせるように触ると、ジャリジャリ、サラサラと色々な感触が味わえるのでそれが面白くて何度も繰りかえしていたのかもしれません。そんな姿を見て、別のお友だちも似たようなことをしているのを食事の時間に見たことがあるなぁと思い出しました。
食事の際に手を滑らせて、スープをこぼしてしまった時よく子どもたちは机の上にこぼれてしまったスープを楽しそうに手でパシャパシャと叩いたり、下に落とすように触れる姿があります。大人は食事の際だと特に、食事に集中して欲しいことや、なるべく汚して欲しくないなどの思いもあり、「パシャパシャしないよ」や「今拭くから触らないで~」と声を掛けてしまいがちです。しかし、今考えてみるとその行動は子どもたちからすると、(触ってみたい!)(これはなんだろう?)(どんな感触なんだろう?)と興味を持って触っていたのかもしれません。特に0歳児の子どもたちにとっては、遊びと食事の違いを理解するのは少し難しく、なぜお外で同じように遊ぶと「たのしいね~」と共感してもらえるのに、ご飯の時に同じ遊びをしようとすると注意されるのか。0歳児の子どもたちがのびのびと生活するには、少し難しいことのように思います。
大人の手や、食事の時間にも余裕がある保育園では、すぐに触らないように止めてしまうのではなく、「スープが机にこぼれちゃうと冷たいんだね」、「スープがこぼれちゃうと気になるよね」と声を掛け、少し見守ってみたり、それを楽しんでやっている様子があれば、水遊びや、寒天遊びなどのスープや具材などの感触に似た、普段あまり触れることの出来ない感触を味わう事の出来る活動を取り入れてみたりなど、子どもたちの興味を尊重しながら関わり、環境を作ることを心掛けています。
そのためには、私たちが子どもたちの行動に(なぜ気になったのだろう?)(なにがしたかったのだろう?)(なにが楽しいのだろう?)と疑問を持ち、子どもたちを理解しようとすることが大切だと考えています。子どもたちが保育園でのびのびと、安心して過ごしてくれることが私たちの願いです。
保育士A・S