保育園には、たくさんの玩具があり、たくさんの絵本もあります。ある日子どもたちが「よんで!」と持ってきたのは、スズメの絵本。スズメは、どう成長していくのか、どうやって暮らしているのかと、スズメの生態について描かれているものでした。スズメって知ってる?と子どもたちに聞いてみると、「知ってるよ!このぐらいの、小さい鳥!」と身近な鳥を知っている様子。絵本を読み進めていくと、枯れ草を集めて巣を作り、卵を産む。一羽につき数個の卵が生まれ、最後の一個の卵は色が違うと言います。色が違う卵が生まれたら、卵を温め始めるなど、大人である保育士でも知らない知識がたくさんありました。
一言も話さず見入っていた絵本を読み終えると、子どもたちが向かった先は、園外が見える窓。窓を覗き込んで、スズメ探しが始まりました。電線やお家の屋根に止まったスズメを見つけ「あっ!いたよ!」「巣はどこにあるんだろう?」と発見を楽しむ子もいれば「あれは赤ちゃんスズメかな?赤ちゃんスズメがすぐに飛ぶわけないからな〜」と早速絵本に描いてあったことを話す姿も。絵本を見て、スズメの赤ちゃんは小さくて、すぐには飛べるわけではないことを理解していたようです。チュンチュンとスズメの鳴き声がすると「声が聞こえた!」と、もう一度聞こうと静かに耳を澄ませる場面も見られました。
普段何気なく過ごしている中で、スズメの存在を知り、保育園の絵本でどんな鳥なのかさらに詳しく知ったことで、好奇心が湧いた子どもたち。これまで、漠然と認識していたスズメも、体の大きさに着目したり、巣を探したりと、知識を得たからこその楽しみ方をする子どもたちの様子が見られました。
保育士M.H